とっとり国保連だより 2020年1月号
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の中で支障を来す場面の把握や動作指導、家族の介護負担を少しでも軽減できるような介助方法のアドバイス等を行っています。歯科の訪問診療は、摂食嚥下障害のほか通常歯科で受けられる治療と同等の治療を在宅で行うことができる県内でも数少ない病院です。このように、地域住民の健康を支えるための有効な施策を着実に進めていくことが、地域医療の根幹と考え、今後も一層推進していきたいと思います。当院は、平成28年1月13日に東部院」に指定されました。慢性疾患を抱える高齢者は増加し、   7     通院が困難な人もますます増えています。一方で、町内の個人医院は町の中心地に1箇所あるのみで、広く医療サービスを提供することは困難となっています。少しずつ改善はしてきているものの、地域内の交通の利便性は良いとは言えず、十分な医療行為を受けることができない状況でした。これを解消するため、町内に2箇所の診療所を設けて医師を派遣し、それぞれ月に2回、定期的に診療を行っています。この診療所は、廃園となった保育園や駅舎といった、地域の空き施設やスペースを有効に利用しており、地域との連携も評価され、平成30年3月16日には、公益社団法人全国国民健康保険診療施設協議会と、公益社団法人全国自治体病院協議会から地域包括医療・ケア認定を受けました。このことから、ほのぼの施設内のみならず、地域ぐるみで真の包括的ケアを実施しているといえます。平成29年度、町が策定した第7次総合計画では、「一人ひとりの人生に寄り添えるまちへ」を将来像に、各種施策を推進しています。今や、病院で医療行為が完結するのではなく、様々なコミュニティーと連携することでその後の医療が継続していく形態になっています。地域住民の健康で豊かな生活を支援していくことが、「一人ひとりの人生に寄り添えるまち」の実現に繋がり、これからのまちづくりに欠かせないものと考えています。それこそが地域に根ざしてきた当院の役割であると考え、今後も「地域包括ケアシステム」の構築に取り組んでいきたいと思います。へき地医療拠点病院おわりに▲訪問リハビリ▲那岐診療所(駅舎)で  3院目となる「へき地医療拠点病院長から一言院長 秋藤洋一「医療の安全安心」という言葉をよく耳にしますが、これは言うまでもなく当たり前のことです。医療現場では特に基本中の基本と考えます。ヒポクラテスの誓いの基礎をなすものとして「何よりも害を成すなかれ」という言葉があります。病院を利用される人との最初の接点は会話から始まります。話し方次第では「言葉」はともすれば「言刃」となりかねません。「会話」は医療安全の原点と考えます。私は就任以来、医療安全に特に力を入れてきました。そのうえで、病院の基本理念である「私たちは、住民に信頼される病院をめざし、チ−ム医療に努めます」、「私たちは、地域に貢献する病院づくりに努めます」、「私たちは、保健・医療・福祉の連携により、安心と安全の確保に努めます」を実践しています。

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